遺言書には一般的に2種類があり、それぞれに特徴があります。今回はその中の一つ、公正証書遺言についてわかりやすく解説します。前回の記事では、なぜ遺言書が必要なのかについても解説いたしました。気になる方は前回の記事をご参照ください。(自筆証書遺言のメリット・デメリットについてわかりやすく解説)
公正証書遺言とは
公正証書遺言とは、公証役場に公証人と証人2人、遺言書を作成する方(遺言者)が集まり公証人によって作成する遺言書です。この公正証書遺言は公証人に出張してもらう場合をのぞき、全国どこの公証役場でも作れます。公正証書遺言は、原本を作成した公証役場に保管され、遺言者へは正本と謄本が渡されます。
※公証人とは原則として、裁判官や検察官あるいは弁護士として法律実務に携わった者で、公募に応じたものの中から法務大臣が任命します(公証人法第13条)。
※「正本」とは、原本と同じ効力をもつものとして交付される写しのこと
※「謄本」とは、正本と同様に写しですが、ただの写しであるため原本と同じ効力はありません
公正証書遺言のメリットとデメリット
公正証書遺言の主なメリット3つ
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紛争防止力が高い(信頼性の高い遺言書を残せる)
公正証書遺言の作成時に公証人と証人2人以上が関与するため、法定相続人から遺言書を無効と言われるリスクを減らせます。
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形式不備による無効リスクを軽減できる
公正証書遺言の作成時に形式的な不備を公証人がチェックするため、形式不備による無効になるリスクを回避できます。
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紛失のリスクがない
公正証書遺言は、原本を作成した公証役場に保管されるので破棄されたり、捏造されたりすることはありません。公正証書遺言の原本は公証役場にて保管されているので、正本・謄本を紛失しても費用が発生しますが再発行が可能です。再発行できるのは原本を保管している公証役場のみとなります。
公正証書遺言の主なデメリット3つ
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他の種類の遺言書よりも費用がかかる
公正証書遺言の作成には、公証役場に支払う手数料や原本・正本・副本の費用、行政書士などの専門家に依頼した場合の費用、証人2人を依頼した場合の費用などが発生します。
※公正証書遺言作成時に公証役場に支払う手数料は、財産の価格に応じて変動します。
Q7.公正証書遺言の作成手数料は、どれくらいですか? | 日本公証人連合会 (koshonin.gr.jp) (出典:日本公証人連合会HP)
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手続きが大変
公正証書遺言を作成するには、公証役場での手続きや2人以上の証人の確保などの準備が必要です。慣れていない中で、遺言内容を詳細に伝えるために準備する時間や手間もかかります。
※公正証書遺言の証人にはなれない方がいますのでご注意ください。
Q5.公正証書遺言の証人は、どのように手配するのですか? | 日本公証人連合会 (koshonin.gr.jp) (出典:日本公証人連合会HP)
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プライバシーの問題
公正証書遺言は公証人および証人2名の前で作成されます。遺言内容をその方々に知られるため心理的な抵抗感を持たれる方もいらっしゃいます。
このようなデメリットがありますが、確実に有効な遺言書を大切なご家族のために残しておきたい方は、公正証書遺言の作成をお勧めいたします。
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